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トベラ/とべら/海桐花
Cheesewood
【トベラとは】
・岩手県以南の太平洋岸及び新潟県以南の日本海岸沿いに自生するトベラ科トベラ属の常緑低木。日本以外では韓国、台湾及び中国南部など温暖な地方に分布する。海沿いの地域ではヒイラギ代わりに厄除けに使うことで知られる。
・木全体に臭気のある木として知られ、大晦日や節分にトビラの枝にイワシを刺すなどして家の扉に挟んで邪気を払うという伝統行事にちなんで、トビラの木=トベラと名付けられた。実際にはそれほど困惑するような匂いではないが、根の皮は臭い。
・雌雄異株で4月から6月にかけて雄木には雄花を、雌木には雌花を咲かせる。花は白から黄色に変化するという特徴を持つが、花を楽しむために積極的に植えられるような木ではない。性質が丈夫であることから、道路沿いの緑化に使われることが多い。
・花の後には直径1.5センチほどの実がなり、晩秋になると黒く熟して3つに決裂し、中から粘りのある赤い種子が姿を現す。糸を引いたようなグロテスクな種子だが、小鳥には人気がある。
・トベラの葉は枝から互い違いに生じ、長さは最大で10センチほどになる。先端は丸く、縁にギザギザはないが、葉の縁が裏面に反り返るようになるのが特徴。肉厚な葉だが光に透かすと葉脈がよく見える。表面には光沢があり、通常は濃緑色になるが、葉色の明るい斑入りトベラという種類もある。
【トベラの育て方のポイント】
・剪定に強く、枝がよく分岐するため垣根として利用しやすいが、剪定すると枝葉がゴツゴツして見苦しくなることも。普通は高さ3m程で収まるが、環境が良ければ10mを超す高木になる。
・海辺での自生が多く、潮風、乾燥、大気汚染に耐える。日照を好む陽樹だが、日陰にも比較的耐える。
・病害虫には強いが、寒さにはやや弱い。
【トベラに似ている木】
まったく関係ない木だが、葉の様子や植栽される場所が似ており、混乱しやすい。
・コヤスノキ(子安の木=安産祈願に使う)
同じトベラ科トベラ属だが、兵庫及び岡山の一部のみに分布する。トベラの葉先が丸みを帯びているのに対して、コヤスノキは尖っている。また、トベラの小枝に見られるような毛がない。
・シマトベラ
オーストラリア東部や小笠原諸島に分布するトベラ科トベラ属の常緑高木。トベラよりも葉は大きく、波打つような感じになる。
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斑入り姫トベラ(フイリヒメトベラ)「☆」 |
トベラの基本データ
【分類】トベラ科 トベラ属
常緑広葉 低木
【学名】Pittosporum tobira
【別名】トビラ/トビラギ
トビラノキ/トベラノキ
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】2m~10m
【用途】垣根/公園
【値段】500円~