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チャノキ/ちゃのき/茶の木
Tea plant
【チャノキとは】
・中国から平安時代に日本へ渡来したツバキの仲間。新芽を摘んで「日本茶」にするのはもちろん、花を観賞するための園芸品種も多い。茶という名称は中国語のチャを語源とする。
・薄暗い山林の中に生えているのを見掛けるが、元来日本に自生はなく、茶園から広がって野生化したものと考えられている。こうしたチャノキを「山茶」と呼ぶこともある。街中では生垣として使う例もあるがチャドクガという不快害虫による被害が問題になる。
・鎌倉時代以降、茶の文化が発達し今日に至る。ただし勘違いが多いがチャノキの葉でも製法が異なれば紅茶やウーロン茶になる。
・新緑の美しさはもちろん、主張しすぎない控えめな花が日本人好みとされる。花期は10~11月で、多数の黄色い雄しべを持つ直径2センチ程度の白い花がひっそりと下向きに咲き、微かな芳香を放つ。
・11月ごろに熟する暗褐色の実はツバキやサザンカに似るが、やや小さく、形も三角形に近い。季節が進むにつれて自然に裂け、中から茶色い種子が顔を出す。
【チャノキの育て方のポイント】
・基本的には暖地性で、本州から沖縄までが植栽の適地となる。
・日向の肥沃な土を好む。
・「茶摘み」からも分かるように、芽を出す力が強く、刈り込みによく耐える。自然樹形をいかす手もあるが、放任すれば4m程度にもなる上、自然樹形はゴチャゴチャしがちであるため、多くの場合、「かまぼこ型」に整形される。
【チャノキの品種】
・中国産のベニバナチャ、コウテンチャ、斑入りチャノキなどが知られる。サザンカやツバキとの交雑種も多い。
・日本茶用にはヤマトミドリ、アサツユ、ハツミドリ、ヤブキタなど数十種類のチャが使われ、用途(玉露用、煎茶用)は品種によって決まっている。主な産地は静岡、宇治、狭山など。
チャノキの基本データ
【分類】ツバキ科 ツバキ属
常緑広葉 低木
【漢字】茶の木(ちゃのき)
【別名】チャ
【学名】Camellia sinensis
【英名】Tea plant
【成長】やや早い
【移植】難しい
【高さ】1m~4m
【用途】製茶用/垣根/盆栽
【値段】1500円~