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タイサンボク/たいさんぼく/大泰木
Southern magnolia
【タイサンボクとは】
・北アメリカ中南部を原産とするモクレン科の常緑樹。5月から6月にかけて咲く花は直径10センチ~20センチとかなり大きく、圧倒的な存在感を持つ。花には万人受けするような芳香があるが、特に咲き始めは香りが強い。
・樹形も雄大であり、一般家庭よりは公園や寺社のシンボルツリーになっていることが多い。
・タイサンボクの葉は肉厚で冬でも光沢を持つ。裏面が黄色っぽく、遠目でも判別しやすい。
・初秋には画像のとおりホオノキに似たような果実ができるが、ホオノキよりは全体的に小さい。
【育て方のポイント】
・花は短く充実した枝先につく。樹高が高い場合は観賞しにくい。
・本来は肥沃で湿気のある土地を好む。
・日向を好むが、西日は苦手とする。
・大型の樹木であり、鬱蒼としやすいが、剪定をあまり好まず、剪定すると樹形がゴツゴツして乱れやすい。
・繁殖は接ぎ木または、挿し木による。
【タイサンボクの品種】
・ヒメタイサンボク~関東近郊では落葉するのが大きな特徴。葉はタイサンボクよりも薄く、色も明るい。また、ヒメタイサンボクの名のとおり花は小型で、タイサンボクよりも花数が少ない。
・リトルジェム
四季咲き(春から秋にかけて咲く)の品種で、成長が緩やかで背丈があまり大きくならないため、近年、街路樹等として積極的に植栽されている。葉はタイサンボクよりもツヤツヤでビニールっぽく、裏面に赤味があるのが特徴。
・斑入りタイサンボク
葉にクリーム色の模様が入る品種。通常のタイサンボクは薄暗くなりやすいが、これは葉の雰囲気が明るく、洋風の家にも違和感がない。
・ホソバタイサンボク(細葉大泰木)
その名のとおり葉の幅が狭い。また、通常のタイサンボクは葉の縁が波打っているが、ホソバタイサンボクは、平らに近く、裏側に反り返っている。庭木としては寒さに強いホソバの方が扱いやすいため、実際はホソバタイサンボクをタイサンボクとして扱っていることが多い。ただし、葉の幅に関しては個体差に過ぎず、品種や変種としては扱われないのが普通。
・ウスバタイサンボク(薄葉大泰木)
通常のタイサンボクの葉は厚紙で作ったようにしっかりしているが、マテバシイ程度の葉の暑さのタイサンボクの個体があり、それをウスバタイサンボクと呼ぶ場合がある。ただしこれも上記のホソバと同様、分類学上は品種や変種にならない。
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タイサンボクの基本データ
【分類】モクレン科/モクレン属
常緑広葉/高木
【学名】Magnolia grandiflora
【別名】ハクレンボク/ギョクラン(玉蘭)
【成長】やや早い
【移植】難しい
【高さ】10m~30m
【用途】シンボルツリー/花木/公園
【値段】1500円~