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ラクウショウ/らくうしょう/落羽松
Bald cypress
【ラクウショウとは】
・北アメリカ東南部からメキシコ湾岸の湿地を原産とするスギ科ヌマスギ属の落葉高木。日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽される。
・ラクウショウという名前は、秋になると羽状の葉が枝ごと落下することにちなむ。漢字では「落羽松」だが、マツの仲間ではなくスギの仲間。
・ラクウショウの葉の出方は枝の部位によって異なり、秋に落下する短い枝では、葉が枝から互い違いに生じ、樹形を形成するような長い枝の葉はらせん状になっている。
・雌雄同株で、4~5月頃に雌雄それぞれの花を咲かせる。雄花は画像のような紐状(雄花序)で、その長さは10~20センチほどになるが、あまり目立たず話題になりにくい。
・花の後には球形の種子ができ、10~11月になると暗褐色に熟す。種子の大きさは直径2~3センチが普通だが、画像のように5センチ以上になるものもあれば、まったく結実しない木もあるなど個体差が激しい。
・原生地での樹齢は長く、中には1000年を超えるものもあるという。巨木になると樹高は50m、幹の直径は5mに達する。東京の狛江市には「黒船」で知られるペリーが持参したというラクウショウが残る。
・ラクウショウには画像のように根が地面に突き出る「気根」(あるいは「膝根」「呼吸根」)と呼ばれるものが生じる。これは酸素不足を補うもので、水辺など湿気の多い場所の個体に見られる。また、幹の元の方には不規則に張り出す「板根」というものができる。
・樹皮は赤褐色で縦に薄く裂け、ヒノキやサワラに近い。ラクウショウの材は建築、土木、造船、器具材に使われる。
【ラクウショウの育て方のポイント】
・病害虫に強い。
・「沼杉」の名のとおり、湿地に強い。
・あえて池や沼の中に植えて景色を作る手法もあるほど、湿気を好む。
・剪定に強く、樹形を整えやすいが、成長が早く管理が追いつかないことも。種を播いた年に高さ1mにも達するほどになる。
・日陰にやや強い。
・巨大な木となること、大量の葉を落とすことから一般家庭にはあまり向かない。公園や遊園地の水辺に植えるのが望ましい。
【ラクウショウの品種】
・枝が垂れるものを「シダレラクウショウ(=タチラクウショウ=ポンドサイプレス)」と呼んで区別することがあるほか、低木型のもの、枝が密生するもの、樹形が通常と異なるものなど十種類ほどあるとされる。
【メタセコイアとの見分け方】
・ラクウショウは、別名を「ヌマスギモドキ」というメタセコイアに似る。実際のところ近付いて葉をじっくりと観察しなければ区別が難しい。上記のとおり、ラクウショウの小枝では葉が枝から互い違いに生える「互生」だが、メタセコイアは一箇所から対になって生える「対生」であるため見分けられる。また、ラクウショウの方が葉が短い。両者は冬芽の形がまったく異なるため、葉がない状態のほうがむしろ見分けやすいかもしれない。
【ラクウショウに似た木】
・メキシコラクウショウ
メキシコの国の木に指定され、同国南部の温帯地方(海抜1,400~2,300m)を中心に分布する。ラクウショウとの違いは、落葉しないこと、秋に開花すること、気根(膝)ができにくいこと、そして樹高がより高くなることなど。
アメリカ南東部の沼地や湖畔に見られる木で、その樹形や枝ぶりから、「タチラクウショウ(立落羽松)」あるいは「シダレラクウショウ(枝垂れ落羽松)」とも呼ばれる。樹皮が浅く裂け、葉の様子がまったく異なるため、見分けるのはたやすい。
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ラクウショウの基本データ
【分類】スギ科 ヌマスギ属
落葉針葉 高木
【漢字】落羽松(らくうしょう)
【別名】沼杉(ヌマスギ)
【学名】Taxodium distichum
【英名】Bald cypress
【成長】かなり早い
【移植】簡単
【高さ】25m~50m
【用途】街路樹/公園
【値段】1200円~