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ネコノチチ/ねこのちち/猫乳

Nekono-chichi tree

植物,ねこのちち,ネコノチチ
風変わりな名は、猫の乳頭に見立てられた実に由来する
nekonotiti,tree
ネコノチチの冬芽は特徴に乏しい
猫乳木,ねこのちち
新葉の様子
植物,ネコノチチ,ねこのちち
葉は長さ3~15センチほどで比較的大きく、葉脈が目立つ
ねこのちち,樹木
裏面の様子
猫の乳という木の葉っぱ
葉には光沢があり、日の光が反射しやすい
ネコノチチ,庭木
樹高は15mほどになる
猫の乳,樹木,花,ねこのちち
花期は5~6月 花弁と雄しべは5つある
ネコノチチ,実,ねこのちち
実は花よりもはるかに大きい
猫の乳,葉っぱ,特徴
秋になると葉は黄色に変わる
ネコノチチ,紅葉
黄葉の様子
植物,猫の乳
普段は地味で目立たないが、黄葉は美しい
植物,ねこのちち
ネコノチチの幹の様子

【ネコノチチとは】

・近畿地方以西の本州、四国及び中国地方に見られるクロウメモドキ科の落葉小高木。朝鮮半島南部(韓国)にも分布する。秋に熟す果実の色形を猫の乳首に見立てて命名された

 

・葉は枝から互い違いに生じ、長さ3~15センチほど。触れるとザラつくが表面には光沢がある。先端は尖り、縁にはギザギザがあるため、波打つのが特徴。秋には画像のように黄葉して美しい。

 

・開花期は5~6月で葉の付け根に小さなクリーム色の花がまとまって咲く。直径は3ミリほどであまり目立たないが、アリをはじめとした虫がよく集まる。

 

・花の後にできる実は長さ1センチほどの楕円形であり、花よりも大きい。できはじめは黄色く、やがて赤に変わり、10月頃になると黒紫になって熟す。場所によって熟し方が異なるため、9~10月頃には画像のようにカラフルな光景を作ることがある。実の中には淡い茶色をした種子が一粒だけ入っており、これを蒔けば増やすことができる。

 

・ネコノチチの樹皮は暗灰色で、若い枝には細かな毛が多い。材は器具を作るのに使われたが、絶滅が危惧されるエリアもあり、現在では材木としての利用は稀である。

 

【ネコノチチの育て方のポイント】

・西日本の生まれであり、寒さには弱い。例外的に神奈川県の一部地域に自生しているが、いずれにしても植栽適地は関東以西となる。

 

・海岸沿いの雑木林や川辺を好んで生じる木であり、本来は湿気のある土を好むが、日向であれば場所を選ばずに育つ。

 

・剪定も不可能ではないが、枝の出方は粗く、樹形はまとめにくい。積極的に庭木とするような木ではないが、黄葉が美しく、放任しても実がなりやすいため、自生のものをそのまま庭に利用することはある。

 

【ネコノチチの品種】

・ヤエヤマネコノチチ

 沖縄周辺に分布する変種。葉が薄く、葉脈と縁のギザギザが少ない。沖縄に生息するフタオチョウという蝶々の食草として知られる。

 

【ネコノチチに似ている木】

イソノキ

ミズキ

八重山ねこのちち,樹木
ヤエヤマネコノチチ

ネコノチチの基本データ

 

【分類】クロウメモドキ科

    ネコノチチ属

    落葉広葉 小高木 

【漢字】猫乳(ねこのちち)

【別名】ネズミノマクラ/ママコナ

    ナガミノイソノキ

【学名】Rhamnellafranguloides

【英名】Nekono-chichi tree

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】5m~15m 

【用途】雑木

【値段】─(庭木としての流通はほぼない)

 

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