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ヒキオコシ/ひきおこし/引き起こし

Hikiokoshi

別名は「延命草」で胃薬に使われる
別名は「延命草」で胃薬に使われる
延命草,植物
ヒキオコシの葉には苦味がある
延命草,茎
茎には下向きの白毛が、葉の付け根には翼状のヒレがある
ヒキオコシの葉っぱ
葉は茎から対になって生じる「対生」
引き起こしの花
四つある雄しべのうち、2個は長く、2個は短い
ヒキオコシ,エンメイソウ
草丈は1mにもなる

【ヒキオコシとは】

・北海道~九州に分布するシソ科の多年草。日本の在来種で、日当たりと水はけのよい山野や土手などに自生する。漢字表記はなんと「引き起こし」で、弘法大師が病人に葉の絞り汁を含ませたところ、すぐさま回復して立ち上がったという故事に由来する。

 

・ヒキオコシの開花は8~10月。葉の脇から伸びた軸に、淡い青紫をした小花を多数咲かせる。花は唇形で上唇は四つに裂け、その中央付近には濃い紫色の斑点模様が入る。下唇は突き出して舟のような形となり、先端が二つに裂けた柱頭(雌しべ)と、長短4本の雄しべがある。 

 

・葉は長楕円形~広い卵形で先端が尖り、縁には粗い切れ込みが入る。株全体にプレクトランチン(エンメイン)という苦味成分を含み、葉を舐めても強烈な苦味があり、胃痙攣や強烈な腹痛に倒れた人でも「引き起こす」ことができるという。漢方ではセンブリリンドウの代用として胃薬に用いる。

 

・茎は直立して上部で分岐し、断面は四角い。薬用するのは初秋に採取した地上部で、日干しして煎じたものを服用。「延命草末」という市販品もある。 

 

【ヒキオコシに似ている草花】

・クロバナヒキオコシ

  北海道、本州北部及び山陰地方に見られる多年草で、8~9月に暗い紫色をした花を咲かせる。ヒキオコシと名乗るがヒキオコシ属ではなくヤマハッカ属。

黒花ひきおこし
クロバナヒキオコシ

・カメバヒキオコシ

 

 こちらもヤマハッカ属の多年草で、東北地方~中部地方の山間部に見られる。花期は9~10月でヒキオコシと似た色の花が咲くが、葉は広い卵形で先端が三つに裂け、その中央はカメの尾あるいは頭のように長く伸びる。

かめばひきおこし
カメバヒキオコシ

ヒキオコシの基本データ

 

【分 類】シソ科/ヒキオコシ属

     多年草 

【漢 字】引き起こし

【別 名】エンメイソウ(延命草)

     セキリグサ

【学 名】Isodon japonica

【英 名】

【開花期】~10月

【花の色】淡い青紫

【草 丈】~100cm

 

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