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ヤマグルマ/やまぐるま/山車

Yama-guruma

やまぐるま,木,特徴
山に生え、葉が車輪状に出るのでヤマグルマという(冬芽)
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新芽が出るころの様子は、花よりも美しい
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ヤマグルマの成葉は光沢がある(7月頃)
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9月頃の様子
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葉の裏側は白っぽい
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ヤマグルマの蕾は産卵期の生き物のよう
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ヤマグルマの花は新葉と共に展開する
山車の花,やまぐるま
咲き始めの花は、周囲に雄しべがある
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ヤマグルマは雌雄同株 花には雌しべと雄しべがある
黄緑色の花
花は1本の花序に20輪ほど
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受粉後の花の様子
鳥糯の木,鳥もちの木
開花期の様子
鳥モチノキの花,やまぐるま
花の終わりには雄しべが消え・・・
ヤマグルマ 種子
実の形に近付いていく
ヤマグルマノキ,やまぐるま
常緑だが、古い葉は赤くなって落ちることも
Yama-guruma
10月頃の様子
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実は真冬になると褐色になる
とりもちのき,やまぐるま
寒さにはやや弱いが多少の降雪には耐える
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ヤマグルマは、樹皮から鳥もちを作ることで知られる

【ヤマグルマとは】

・山形県以南の本州~沖縄に分布するヤマグルマ科の常緑樹。花や枝葉が車輪状に生えることからヤマグルマと名付けられた。山の林内、斜面、岩場に自生するが、屋久杉と共存する屋久島のヤマグルマが特に有名。

 

・ヤマグルマの開花は5~6月。枝先に画像のような黄緑色の花(雌雄同株)を咲かせる。花には花弁も萼もなく、それほど美しいものではないが、普段は地味な存在であるがため、花の時期にはかえって人目を惹く。花の中央には5~10本の雄しべがあり、その周囲を多数の雄しべが囲む。

 

・花の後には袋状の果実が集まった集合果ができ、10月頃に熟すと自然に裂けて、種子を落とす。種子は長さ5ミリほどの楕円形で、両端には長い突起がある。

 

・平凡な外観とは裏腹に白亜紀には既に存在していたという、生きた化石のような木であり、広葉樹の中で唯一「導管」がないことで知られる。針葉樹のように根から吸収した水分は仮導管で葉へ運ぶ。このため良質な材として加工品に用いられる。

 

・樹皮からトリモチを作ったことから、トリモチノキという(モチノキはヤマグルマの代用)。樹皮は特徴のない灰褐色で、経年とともにコブが出てくる。

 

・葉は卵形で先端は尖り、縁には波状のギザギザがある。直径は5~15センチほどだが、春に出た葉が最も大きく、次第に小さな葉に代わっていく。新芽の頃、花が咲く頃、それぞれに奇抜な色合いに変化するため、一見地味な木だが、見どころは多い。

 

・ヤマグルマ属の樹木は他になく、シーボルトは「日本植物誌」において本種を、新種として発表した。山野や庭園で頻繁に目にするような樹木ではないが、日本以外でも韓国の済州島や台湾に自生が見られる。

 

【ヤマグルマの育て方のポイント】

・比較的温暖な山地の岩場に自生するため、寒さに強い。南にいくほど大木となり、中には高さ20mに達するものもある。寒さにはやや弱く、山形県あたりが北限とされる。

 

・成長スピードが遅く、管理に手間がかからない。しかし、高さと幅がほぼ同じように成長するという特徴を持つため、見映えをよくするには、ある程度のスペースが必要。

 

【ヤマグルマに似ている木、見分け方】

 アワブキ科のヤマビワと葉が似ているが、ヤマグルマの葉はツルツルで人工的な印象さえするのに対し、ヤマビワの葉はくすんだ感じがする。また、ヤマビワはヤマグルマと同じような輪生状に見えるが、よく見ると枝先にまとまっているに過ぎない。

ヤマグルマの基本データ

 

【分類】ヤマグルマ科/ヤマグルマ属

    常緑広葉/高木

【漢字】山車(やまぐるま) 

【別名】トリモチノキ/シメコロシノキ

【学名】Trochodendron aralioides

【英名】Yama-guruma

【成長】遅い

【移植】簡単

【高さ】15~20m

【用途】シンボルツリー/公園樹 

【値段】5000円~

 

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