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トキワガマズミ/ときわがまずみ/常磐莢蒾

laurustinus viburnum

ときわがまずみの木の花
花は咲き進むにつれて白くなる

【トキワガマズミとは】

・地中海沿岸のヨーロッパ及び北アフリカを原産とする常緑低木。日本の野山で普通に見られるガマズミは落葉性だが、本種は冬季でも葉が落ちない常緑性であるため、トキワガマズミと呼ばれるが、花屋などでは単にガマズミと称して販売されることもある。 

 

・露地植えにしたトキワガマズミの花が咲くのは3~5月だが、常緑であることに加え、紅色の蕾が冬季も枝先にあること、秋に熟す実が美しいことから、フラワーアレンジメントなどの花材としての人気も高い。

 

・花は小さなラッパ型で、直径7センチ前後の半球状に集まって咲く。咲き始めは淡いピンク色だが咲き進むと純白になり、微香を放つ。一つ一つの花は合弁花で花冠は五つに裂け、雄しべはその外側へ突き出す。

 

・ガマズミの果実は赤~黒に熟すが、本種の果実はサワフタギクサギのような藍色をした卵形になる。熟すのは10~11月で、これを蒔けば増やすこともできる。

 

・葉は長さ5~15センチ、幅2~7センチの卵形~楕円形で、枝から対になって生じる。葉の縁にギザギザはないが、若い枝葉には微細な毛が密生する。ガマズミに比べると厚手で光沢があり、水持ちがいいため、葉も花材として使われる。

 

・若い茎は紫がかった褐色で、季節が進むと緑色になる。幹は株立ち状に多数が立ち上がり、枝葉は横に広がりやすいため、生垣に適する。

ときわがまずみ,つぼみ,蕾,葉っぱ
ツボミの様子
ときわがまずみ,常緑ガマズミの花
花言葉は「恋の焦り」「私を見て」「結合」など

 

【トキワガマズミの育て方のポイント】

・性質は丈夫であり、病害虫の被害は少ない。暑さや乾燥にも強い。

 

・耐寒性はやや低く、霜の降りる地域では冬季に葉色が悪くなることがあるものの、零下10度程度であれば屋外でも耐えられる。

 

・日向を好むが半日陰にも耐えるため、日当たりが悪い場所の垣根として使うことができる。

 

・土質を選ばずに育つが、花を十分に楽しむためには植穴に腐葉土等の有機肥料をすき込んだ方がよい。

 

・成長が遅く、剪定の手間は余りかからない。

 

【トキワガマズミに似た木】

 オオデマリ  ヤブデマリ  

 サンゴジュ  オオカメノキ

 オトコヨウゾメ

 

【もう一つのトキワガマズミ】

 本項で取り上げているトキワガマズミは園芸用に命名された外来種だが、小笠原の父島にはハクサンボクの変種である別なトキワガマズミが分布する。このトキワガマズミの葉はライトグリーンで、純白の花が咲き、赤い実ができる。 

ときわがまずみ,小笠原
父島に固有のトキワガマズミ

トキワガマズミの基本データ

 

【分類】レンプクソウ科 ガマズミ属

    常緑広葉 中高木

【学名】Viburnum tinus L.

【別名】常緑ガマズミ

    ビバーナム・ティヌス

【成長】遅い

【移植】簡単

【高さ】2m~5m

【用途】花木/垣根/切花

【値段】1,500円~

 

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