ポプラ/ぽぷら

Poplar tree

ポプラの木,ぽぷら,特徴
並木として公園の水辺などに植えることが多い 北海道大学のものが有名
ポプラの葉っぱ,ぽぷら,画像
新葉の様子
leaf of poplar
成葉の様子
アメリカヤマナラシ,木,ぽぷら
点景として単独で植えられることも多い
ポプラ,植物,ぽぷら,樹木
細かな枝が無数に生じ、斜上する
cottonwood,picture
黄葉期の様子
ポプラの木,冬
落葉後の様子
ポプラの樹皮,画像,ぽぷら
樹皮の様子

【ポプラとは】

・ヨーロッパ、西アジア及び北米を原産とするヤナギの仲間。普通はアメリカヤマナラシの変種とされるセイヨウハコヤナギをポプラと呼ぶが、ハコヤナギ属全般をポプラということもあり、関西ではカロリナポプラをポプラと称することも多い。

 

・セイヨウハコヤナギは雄株だけが防風林用として明治時代にアメリカを経由して渡来し、北海道を中心に植栽された。カロリナポプラが渡来したのも同時代とされる。前者は寒冷な北海道や東北に、後者は暖かい地方に植栽される。

 

・湿気を好み、土質を問わずかなりのスピードで育つ。このため湿地帯を早期に緑化するような場合に好んで使われる。池や沼、河川敷の公園などで目にする機会が多いのはこのため。その生命力は大変に強く、ポプラの丸太で作ったフェンスから根が生じることがあるというが立木としての寿命は短い。

 

・幹は真っすぐに伸び、直径は最大で2~3mほどに。樹皮は灰色で、樹齢を重ねると不規則に剥離する。枝は横へ張らず、上へ上へと伸び、全体として狭い円柱状になる。スリムな樹形が好まれ、並木として複数を列植することが多いものの、枝数が多い分、維持費がかさむ。

 

・葉は長さ5~10センチ、幅5センチ程度の三角形あるいは菱形。縁にはギザギザがあり、枝から互い違いに生じる。葉の付け根に長い柄があり、ヤマナラシと同じように風に吹かれると美しく揺れる。中国では「風響樹」といい、学名のポプルスも「さらさら鳴る」に由来するという。

 

・雌雄異株で、葉が展開する前の4~5月に紐状の花が咲き、5~6月に熟す果実からはタンポポの種子のような綿毛が飛び立つ。この綿毛をフランスでは「夏の雪」と呼び、中国では「柳絮(りゅうじょ)」という。綿毛には褐色の種子が包まれている。

 

・木炭が火薬の原料になるとされたため、軍の跡地等に大木が残る。材は軽くて柔らかく、欧米では家具や楽器を作るのに使われるが、耐久性は乏しく、日本ではマッチの軸やチップ材、箱などの工芸品に使われる程度。世界的にはパルプ用材としての利用が多く、材木としては北米産のイエローポプラ(モクレン科)としばしば混同される。

 

【ポプラの育て方のポイント】

・土質を選ばず、かなりの痩せ地でも育つが、典型的な「陽樹」であり健全な生育には日照が欠かせない。

 

・竹ぼうきを逆さに立てたような樹形に育つのが普通。幹からの芽吹きや根元からのヒコバエが多い。枝は幹に寄り添うよう生じる。間近で見ると雑然とした枝ぶりだが、個々の樹木をしみじみ鑑賞するような木ではなく、並木として全体の景観を鑑賞する。

 

・根が浅いこと、病害虫に弱くて幹に空洞ができやすいことから、強風に弱い。台風が毎年襲ってくるような土地に植えることは全くお勧めできない。また、木の中では落雷による被害が最も多いとされる。

 

・枝葉の多い落葉樹であり、落ち葉が滑りやすいことや小枝が散らばりやすいことなどから、樹下で草花を同時に楽しむような一般家庭には向かない。学校の校庭に多く見られることからも分かるように、広大な土地に植えるべきものである。

 

【ポプラに似ている木】

ギンドロ

 近年「ホワイトポプラ」と呼ばれるポプラの一種。葉の裏側の白色が美しく、花材として使われ、ヨーロッパでは街路樹に用いる。

 

ヤマナラシ

 

ドロノキ

ポプラの基本データ

 

【分類】ヤナギ科 ハコヤナギ属

    落葉広葉 高木

【漢字】─(ぽぷら)

【別名】ホウキポプラ/クロポプラ

    セイヨウハコヤバギ(西洋箱柳)

    イタリアヤマナラシ

    イタリアポプラ

    イタリアクロポプラ

【学名】Populus nigra var. italica

【英名】Poplar

【成長】かなり早い

【移植】簡単

【高さ】15m~40m

【用途】公園/街路樹/並木

【値段】2000円~

 

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