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アンズ(杏)
Common apricot








【アンズとは】
・中国北部及びモンゴルを原産とするバラ科の落葉小高木。全国的に分布するが、商用アンズの生産は長野県が多い。
・日本へ渡来した時期は古く、平安時代には薬用植物として栽培されていた。当初は「中国の桃」を意味する「カラモモ(唐桃)」と呼ばれており、万葉集にも唐桃として登場する。アンズと呼ばれるようになったのは江戸時代に入ってからのこと。近年ではアプリコットという英語名の方が一般的か。
・3月下旬に咲く花は、果樹の中では群を抜いて美しい。ウメやスモモに似るがこれらよりも大きく、花数も多い。
・実は初夏に黄熟し、7月頃に収穫される。果肉は酸味が強いため、生食用のアンズは稀であり、ジャム、シロップ漬け、果実酒、ドライフルーツといった加工品として利用される。
・アンズの種子は生薬「杏仁(キョウニン)」として咳止めの等に使われる。種子は果肉から離れるようにできるのが特徴。
・学名には旧ソ連のアルメニア共和国の名が使われているが、これはヨーロッパに初めて伝わった際、アルメニア産だと勘違いされたことに由来する。
【育て方のポイント】
・寒さに強く、空気が乾燥した寒冷地を中心に栽培される。栽培適地はリンゴと同一。夏の気温が高いところでは早々に落葉する。
・日当たりを好み、日陰では生育が悪い。また、水はけの良い肥沃な土地を好む。
・実付きをよくするためには芯を止め、短い枝を数多く残すようにして、なおかつ人工授粉を行う。上手に管理すれば毎年たくさんの収穫を楽しむことができる。
【品種】
・栽培品種にはヨーロッパ系と東アジア系のものがあるが、家庭用としては「甚四郎」「新潟大実」「平和」といった品種が向いている。また、花が白いシロアンズもある。
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鉢植え、庭植え、ベランダガーデニングに最適です。一本でも実をつけます。「アンズ」杏 / アン... |
アンズの基本データ
【分類】バラ科/サクラ属
落葉広葉/小高木
【学名】Prunus armeniaca
【別名】カラモモ/アプリコット
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】3m~10m
【用途】花木/果樹/シンボルツリー
【値段】1000円~5000円