イチイ(一位)

Japanese yew

イチイとキャラボク 違い
キャラボクに似るが、より寒い地方に生じる
イチイ 赤い実
果肉は甘いが、種子には毒がある
イチイ 樹木 図鑑
樹形は端正で整いやすい。高さは20mに達する
イチイ 木 特徴
低く刈り込んで管理することもできる
オンコ 垣根
東北や北海道では生垣に使われる
japanese yew tree
イチイの樹皮

【イチイとは】

・日本及び中国東北部、シベリア東部を原産とする常緑針葉樹で、まっすぐに伸びる幹と綺麗な円錐形を保つ樹姿が美しい。北海道や東北北部などの寒冷地ではアイヌ語の「オンコ」という名で呼ばれ、和風庭園の主木、生垣、植え込みの定番となっている。

 

カヤあるいはメタセコイアを小型にしたような葉だが、柔らかでチクチクしない。 

 

・雌雄異株だが、メスの木になる赤い実の果肉は甘く、食用や果実酒用となる(ただし種はアルカロイドを含む有毒で、飲み込んではいけない。) 

 

・かつてはイチイの材を用いて、位が高い人が使うシャクを作ったためイチイ(一位)と名付けられたという説と、イチイの材が他の木材よりはるかに赤い(=緋色)ため、「一番の緋色」から「一緋」となったという説がある。

 

・材は緻密で、表札、建材、彫刻材、そして鉛筆にも使われる。日本産の木で鉛筆に使うことができるものは数少ない。また、イチイの枝は漢方薬に使われ、糖尿病に効果があるとされる。

 

【育て方のポイント】

・沖縄以外の全国に分布するが、寒い地方での活用が多く、暖かい平地では生育が悪く、暖地では移植も難しい。

 

・日陰を好む代表的な「陰樹」だが、成木は日向でも育つ。また、肥沃な土地を好み、痩せ地ではやや生育が悪い。  

 

・手入れをせずとも木の姿が整いやすいため、手入れのしづらい場所の垣根などに向く。他方、萌芽力があり、刈り込みによって形を作りやすいため、トピアリーに使うことができる。ただし、強い剪定は苦手であり、特に関東以西の暖地では成長が遅いため、むやみに刈り込むのは避けた方がよい。

 

・病害虫に強いが、まれにハダニ、カイガラムシの被害に遭うことがある。

 

【イチイとキャラボクの見分け方】

イチイとキャラボクの違い
イチイ
キャラボクとイチイの見分け方
キャラボク

 垣根に多用されるキャラボクはイチイの変種であり、両者はよく似ているが葉の付き方や樹形が違うため見分けられる。

・キャラボクの葉が四方八方へ螺旋状に発生するのに対し、イチイは二列に水平に並ぶ。(ただし枝先にある葉は螺旋状になる)

・キャラボクは放置すると樹形がクネクネと乱れるが、イチイはスッキリと端正な姿を保つ。

 

 一般的に寒い地方にはイチイ、暖かい地方にはキャラボクが適するが、庭木としては背が高くなりにくいキャラボクの方が好まれる傾向にある。なお、関西に多いイチイガシ(ブナ科)をイチイと呼ぶ地方もあるが、このイチイとは関係がない。

イチイの基本データ

 

【分類】イチイ科/イチイ属 

    常緑針葉/高木

【学名】Taxus cuspidata 

【別名】オンコ/アララギ 

【成長】遅い 

【移植】根が荒く、やや困難 

【高さ】10~20m 

【用途】シンボルツリー/垣根/トピアリー

【値段】1000円~5000円