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イヌツゲ(犬黄楊)

Japanese Holly

犬ツゲ 樹形 画像
イヌツゲの玉散らし仕立ては、日本庭園の定番
いぬつげ 樹形
手入れしなければ、こんな感じの樹形になる
生垣 いぬつげ Japanese Holly
イヌツゲの垣根
犬柘植 画像
葉は細枝から互い違いに生じるのが「ツゲ」との違い
イヌツゲ トピアリー
葉が細かくトピアリーにも使える(皇居東御苑)
イヌツゲの花 色 雌雄
イヌツゲの雄花
犬つげ 雌花 写真
イヌツゲの雌花
犬柘植の実 黒い実
イヌツゲの実 

【イヌツゲとは】

・もっとも普通に見られる植木の一つで、萌芽力が強いため、垣根や玉散らし仕立て(写真)とすることが多い。 

・印鑑、櫛、将棋の駒の材料となるツゲ科のツゲ(=ホンツゲ)に似るが、ツゲよりも材が劣るため「下等」という意味の「イヌ」が冠されている。庭木としての利用はイヌツゲが圧倒的に多い。 

・あまり目立つことはないが、初夏に写真のようなクリーム色の花を咲かせる。花には雄雌があり、雄花はまとまって咲くため、雌花よりも目立つ。

・赤い実が多いモチノキ科の中では珍しく、黒い実(写真)をつける。ただし、実の赤いアカミイヌツゲもある。 

 

【育て方のポイント】

・肥沃な日向を好むが、日陰や痩せ地でも育てることができる。

・大気汚染や潮風に強いため、多少環境の悪いところでも育てられる。 

・枝が柔軟であることと、厳冬期と酷暑期以外は年中、刈り込みができることから、垣根、トピアリーに適している。ただし葉が小さいため刈り込み後の掃除は面倒。 

・乾燥に弱く、根元に西日が当たらないようにする必要がある。

・枝が部分的に枯れ込むことがある。(「枝枯病」あるいは乾燥による) 

・成長が遅く、大きくするには時間がかかる。 

・ハマキムシの被害を受けることがある。

 

【ツゲとイヌツゲの違い】

 

葉の色で見れば、一般にイヌツゲは濃緑、ツゲは黄緑色と言ってもよさそうだが、葉の色合いは個体差があるため、あまり参考にならない。それよりも葉の出方が確実に異なる。イヌツゲ(左)は葉が互い違いに生える「互生」で、ツゲ(右)は葉が同じところから対になって生える「対生」となっている。

イヌツゲとツゲ
イヌツゲ(左)とツゲ(右)
ツゲの違い
イヌツゲ(奥)とツゲ(手前)

 

【イヌツゲの品種】

・葉が大きいオオバイヌツゲ、葉が丸いマメツゲ、新芽の黄色が際立つキンメツゲ、葉に模様が入る斑入りイヌツゲ、枝が箒状に伸びるホウキイヌツゲ等が古くから知られる。これに加え、最近では葉の緑色が濃い「ヒレリー」という品種や、年間を通じて黄色い葉を持つ「ゴールデンジェム」といった品種の人気が高い。特にゴールデンジェムは背丈も大きくならないため一般家庭での利用に適する。

 

【キンメツゲとイヌツゲの見分け方】

・キンメツゲはイヌツゲよりも葉が細かく、小枝が多いため、密度の高い垣根を作ることができる。また名前のとおり新芽の黄色がイヌツゲよりも際立っている。(イヌツゲも新芽は黄色い)

イヌツゲ 生垣 画像
キンメイヌツゲ
大葉いぬつげ
オオバイヌツゲ
斑入りのイヌツゲ
斑入りイヌツゲ
豆つげ 画像
マメツゲ
箒 犬つげ 写真
ホウキイヌツゲ

イヌツゲの基本データ 


【分類】 モチノキ科/モチノキ属

     常緑広葉/小高木

【学名】 Ilex crenata

【別名】 ニセツゲ/ヤマツゲ/コバモチ

【成長】 遅い

【移植】 簡単

【高さ】 2m~4m

【用途】 垣根/公園/トピアリー/玉散らし

【値段】 800円~2000円程度